たけまる / book
2007-07-19 Thu
_ 『フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!』 [atom][feed][book]



小川浩さん主催の WBS2.0 に参加してきました.ラッキーなことに,発売前の著書『フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!』をいただけたの
で,早速書評です.ありがとうございます.

タイトルの通り,RSS などの「フィード」にフォーカスした一冊です.と
はいっても,フィードをやたらに過大評価するのではなく,その役割を
「過不足なく正確に」伝えてくれる良書です.正直,読了してかなり頭が
整理されました.
フィードのことを「ブログのおまけ」と考えている人は多いと思いますが,
本書を読めば,従来型ウェブページとの本質的な違いを理解できると思い
ます (HTML ではなく XML だという表面的な違いではありません).
ウェブページとフィードの本質的な違いは「対象とするデータにある」と
著者の小川さんは述べています.ウェブページは一般的な情報を得意とし
ています.たとえば,Wikipedia であり,Amazon であり,専門的なブロ
グです.その価値は客観的に (機械的に) 測定することができ,Google
によってランク付けされています.
ところが,フィードはウェブページとは異なる種類の情報が対象であり,
これまでの Google の技術が通用しないことを述べています.また,理想
的なフィードリーダーやビジネスモデルはまだ発見されていません.ここ
にチャンスがあり,小川さんはそれに賭けています.
フィードとウェブページの違いが「対象とする情報」というのは以前から
感じており,それを見据えて仕事をしているので,とても勇気づけられま
した.
やや勢いで書かれた感は否めませんが (3徹で仕上げたそうです (^^;),
あまりカチッとしているより読みやすいかもしれません.フィードに馴染
みのない人でも抵抗なく読めると思います.
※ ひとつ,技術的な課題が抜けてるかなと思ったのでコメントします.
本書でも触れられていますが,これからは「オープンではないフィード」
がたくさん出てくると思います.つまり,認証が必要になります.
いまのフィードはほとんどがオープンなので,フィードリーダーは認証に
ついて考えていません.ところが,もしほとんどのフィードが認証を要求
するようになったらどうなるでしょうか.
ウェブ型であれば,事前に各サイトにログインしておかないと読めません.
何十,何百というフィードを登録していると破綻します.また,フィード
リーダー提供元にパスワードを預けるのも気が進みません.
ブラウザ型やクライアント型であればパスワードを記憶させることもでき
ますが,デバイスを変えたときに未読管理が一致しません (本書を読めば,
PC だけでなく携帯で読めることも重要とわかります).
そもそも,フィードの認証方法は標準化されていないので,あらゆるサイ
トで機械的にログインさせることは難しいです (昔の Atom Publishing
Protocol は WSSE でした
シック認証 + TLS が MUST になっていますが,実装の足並みが揃うかなぁ).
些細なことのようで,未来のフィードリーダーを占うひとつのポイントか
なと思っています (まぁ,ちょっと先の話ですが).
2006-09-03 Sun
_ 『内藤忍の資産設計塾 実践編』 [book][finance]




この本が投資を科学的に考えるきっかけになりました.まずは「はじめに」
より,この本のスタンスに関する部分を引用します.
2005年1月に出版した拙著『内藤忍の資産設計塾』は従来の株式中心の投
資本と一線を画す「アセットアロケーション」からのアプローチを提唱し,
多くの読者にご指示をいただくことができました....
そこで今回,これから始めようという方でも最低限の知識で,まずは10万
円で始められる「実践編」を書き下ろしました....
前作,本作ともに根底に流れる思想は共通しています.
「投資は目的ではない,人生の夢・目標を実現する手段である」
「投資は勉強しないと成功しない.しかし投資に才能は関係なく勉強すれ
ば誰にでもできる技術である」
「自分のお金で運用してこそ,はじめて評論家から真の個人投資家になれ
る」
ということです.(p.1)
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2006-09-02 Sat
_ 『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』 [book][finance]




個人投資家に必要なデータや知恵が,もっとも過不足なくまとまっている
本です.この本の「おわりに」には執筆の動機が次のように記されていま
す.投機とは異なる,資産運用の正しい姿を伝えようとする姿勢が宣言さ
れています.
テレビでは,インターネット・トレーディングでお小遣いを増やす小学生
や,家事そっちのけでデイ・トレーディングにいそしむ主婦を紹介する番
組が流されています.
しかし,私は,こうしたマスコミ報道に対し,拭い去りがたい違和感を覚
えています.
そして,現在の日本において氾濫する投資情報の中で,「年金性資金の運
用に関する情報」や「長期投資のための情報」が絶対的に不足しているこ
とに危惧も感じています.
...
現在流付されている「相場に勝つ運用が,正しい資産運用法である」とい
う間違った考えを払拭し,普通の市民のための「"負けない" 運用」につ
いて説明すること,そして,私たちが運用で成功するには社会全体が持続
的に成長することが必要である,という当たり前のことをお伝えすること
− それが本書の目的です.(p.264-265)
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2006-08-27 Sun
_ 『最新版 投資戦略の発想法』 [book][finance]




資産運用の必要性や,基本的な考え方を教えてくれる良書です.この本の
「オープニング」には,次のようなスタンスが記されています.
人生は意外に長い.死ぬまでの期間を家族とともに豊かに楽しく暮らすた
めには,財政的な裏づけが絶対に必要です.将来に向けて,何が起きても
生活に困らないよう,必要な財産形成を計画的に着実に行うべきなのです.
人生において必要な財産形成を計画的に着実に行う − そういう財産形成
スタンスのことを英語で Grow rich slowly − と言います.Grow (着実
に育つ),rich (豊かな生活に向かって),slowly (ゆっくりと) − そう
です.ゆっくりと,しかし確実に,財産形成をしていけばいいのです.
Grow rich slowly − この本では,そのための「投資戦略」を書き記して
いきます.(p.44-45)
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2006-07-21 Fri
_ 『内藤忍の人生を豊かにするお金のルール』 [book][finance]




この本では,読者にとってのお金の意義や価値を確認させることにかなり
のページを割いています.その上で,必要最低限の投資戦略を紹介してい
ます.単純に投資戦略だけを学ぶのであれば,過去の著作のほうが情報量
は多いでしょう.
しかし,著者はこの本で「本当に書きたい本」にだいぶ近づいたのではな
いでしょうか.おそらく,著者の大きな目標は「大きく誤解されている投
資の正しい姿を伝えること」であり,そのために,試行錯誤しながら何冊
もの本を書かれているのでしょう.投資で儲けたい人ではなく,むしろ投
資を嫌っている人に読んで欲しい本だと思います.小手先の金融テクニッ
クではなく,お金の本質を平易に伝えようと挑戦しています.
苦言を呈すると,著作を重ねるごとに少し独自色が失われているかもしれ
ません.次の飛躍を期待したいです.
# 内藤氏の著作を取り上げる記事が続きましたが,これは偶然で,他の本
# も取り上げていきます ^^;


